リモート演奏の編集でやること3/5「色合いを合わせて世界観を統一する」
【③色合い(カラー補正)】色味は「青」と「オレンジ」で画面が際立つ?!カラーグレーディングの魔法
「本編映像編集」でやったこと5つ
【①映像配置】
【②画面転換/効果(トランジション)】
【③色合い(カラー補正)】←今回コレ!!
【④テロップ(字幕)】
【⑤いろんなエフェクト(フレア=光/モーションなど)】
洋服でもメイクでも、「色味」が変わるとその人の印象まで変えてしまう程
カラーって大切。
映像も全体のカラーで見る人の「印象」を誘導できるとしたら??今回はそんな魔法みたいなお話しです。
人は映像を見て「色」で感情を感じ取ることができるらしい
アメリカの心理学者、ロバート・プルチックが「感情の輪」という
色彩を感情に例えたモデルを作って、それは映画業界などでもとても重要な一つの指針として参考にされているようです。映像の中でも特に多く使われている「人の顔、肌」というのはオレンジ系で表すことが多いのと、それを補色する色が「青色」ということで、この二つをうまく利用すると
「人物が生き生きと浮き上がって見える」ようになるそうです。
確かに映画のパンフレットで、青系の背景に浮かぶ役者さんって、とっても際立って見えるような気がする・・・
同じ2次元の場所に置いてあるのに、色味が変わるだけで立体的に見えるとは、奥が深い・・・色自体にも「感情」を誘導する効果がある?どんな色がどんな気持ち?
先ほどのプルチックを参照して簡単にまとめてみました
【水色系】放心、驚き、悲嘆(色が深くなればなるほど感情は重くなる)
【青系】哀愁、悲しみ、悲嘆
【紫】うんざり、嫌悪感
【赤】苛立ち、怒り、激怒
【オレンジ】関心、期待、警戒
【黄】平穏、喜び、恍惚
【黄緑系】容認、信頼、敬愛
【緑】不安、恐れ、恐怖
これを見ながら映像の全体像の色味を考えて全体の色味のバランスを取ると、より届けたい感情を上乗せして表現することができそう。
海の映像を見ると、なんだかちょっとセンチメンタルになるのは
色味から「哀愁」や「悲しみ」という感情を受け取っていたのかもしれない。ということで早速映像編集にも色味を調整してみることに
今回制作した動画(本編)はオペラの中のある1曲なんだけど
ヴェルディ作曲
オペラ「ナブッコ」より
~行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って~
内容は「悲しみ、悲嘆」の中に「ほんの一握りの希望」の感情がある、イタリアでは「第2の国家」とも言われているとても有名で美しい曲。
この曲を色味にすると「悲しみの青、不安や恐れの深緑、そして一握りの希望のオレンジ」
みたいになった(なんかちょっとカッコイイ)。なので背景となる色はほぼ青味がかりつつ、冒頭は緑がかった青を入れて全体の悲しみの気持ちを「色」でも表現してみることに。
その中にある「希望」はちょうど指揮者(マエストロ)を常に映像に配置することになっていたので、そこにオレンジを込めて色味を調整。
曲の終わりの時点では、平穏にはなっていないのでその青味をキープしたままブラックアウト(前回の場面転換=緞帳をおろすイメージ)してみました。
感情を色で考えるというのは、音楽をやっているからか、普段から「音楽を色に例える」なんてことは日常茶飯事に頭の中に浮かんできて、そんなに違和感なくイメージできました。
実際映像編集を分担した「ジーニーみたいなテノール歌手氏」と打合せの段階で「こんな色のイメージがあるんだけど」と話したら、ほぼ同じ色味の映像イメージを持っていたようで、その辺はもしかして一般的な考えではないのかもしれないけれど・・・ということで何度も貼り付けている(笑)こちらの動画。
ここまでの内容を読んで貰えたら、きっと見方も変わるはず。
色味って、映像編集するときに考えれば考えるほど
感情をのせることができるステキな魔法なんだなと思いました。
色味は迷ったら人は「青味」と「オレンジ」で際立つ!!
これさえ頭の片隅に置いておけば、きっと編集で色味に悩んだ時の参考になると思います。
後は、映像を分かりやすくする「字幕(テロップ)」と「光などのエフェクト」を紐解いて行くぞ!
っていうかひとつの動画を作るのにも、ほんと色々な編集作業が必要なんだなあ・・・
(今回は文章の文字も色を多めに使ってみたりして)。
奥が深すぎるぞ、編集!!!